スピジアは国内初の経鼻投与型抗けいれん薬として、また成人においては初めて医療機関外で投与可能なレスキュー薬として承認されました。
製品の基本情報と特徴
スピジア点鼻液は、ジアゼパムを有効成分とし、5mg、7.5mg、10mgの3規格で展開されます。効能・効果は「てんかん重積状態、又はてんかん重積状態に移行する恐れのある発作」で、通常は成人及び2歳以上の小児に対して、患者の年齢及び体重を考慮し5~20mgを1回鼻腔内投与します。効果が不十分な場合は4時間以上空けて2回目の投与が可能で、6歳未満の小児では1回量が15mgを超えないよう安全性に配慮されています。
医療現場での意義
従来のてんかん発作への対応では、救急車による医療機関への搬送が中心で、発作開始から治療開始まで20~40分を要していました。スピジアの登場により、この時間的障壁が解消され、迅速な初期対応が可能になります。海外データでは投与後の発作停止までの中央時間は4分とされており、その迅速性が実証されています。
国際的な実績と今後の展望
本剤は米国Neurelis社が開発し、米国では2020年に6歳以上、2025年4月には2歳以上まで適応拡大されています。アキュリスファーマの谷垣任優社長は「必要とするすべての患者さんに一日でも早く届けられるよう、早期の販売開始に向けた準備を進めています」とコメントしており、実際の販売開始が待たれています。
この承認により、日本のてんかん治療は新たな段階に入り、患者とその家族の生活の質向上に大きく貢献することが期待されています。
ソースURL: https://aculys.com/20250624/