
パーキンソン病の治療は、薬物療法とリハビリの継続が大切です。特に、自分の体の状態に合わせた効果的なリハビリを継続することは、仕事や日常生活をこれまで通りに送るためにも重要です。しかし、保険適用内で医療施設や介護施設で実施するリハビリは時間や回数が制限され、思うように治療を続けられない場合もあるでしょう。
豊田通商グループの(株)豊通オールライフが運営するリハビリフィットネススタジオ「AViC THE PHYSIO STUDIO(エービック ザ・フィジオ・スタジオ 以下、AViC)」はそんな課題を感じている患者さんに向けて、保険外(自費診療)でオーダーメイドのリハビリを提供しています。科学的に確認されたトレーニングメニューによって、十分な質と量のリハビリを提供することを目指しているそうです。

⦅写真:AViC日本橋店⦆
そこで今回は、AViCがパーキンソン病の患者さんに実際に提供しているリハビリプログラムを一部ご紹介します。協力してくれたのは、パーキンソン病の診断がついてからおよそ10年が経つ鈴木さん。18年ほど前から肩コリやめまい、吐き気に悩まされてきました。


⦅写真:カウンセリング中の鈴木さん⦆
リハビリプログラムの対応をしてくれたのは、 AViCの理学療法士である岩澤尚人さん。
岩澤さん「私たちは保険医療の対象外の範囲でサービスを提供しています。だからこそ、利用者さんの目標ややりたいことを聞き取った上で最善の方法を考えるようにしています。単に運動プログラムを提供するのではなく、患者さんの希望に添えるように科学的根拠のあるメニューを組み合わせています」

⦅写真:今回施術を担当してくれた岩澤尚人さん ⦆
体験にうかがったのは、東京都日本橋にある施設です。東京メトロ日比谷線の「小伝馬町駅」(2番出口)からは徒歩3分。他にも、JR総武線「馬喰町駅」徒歩3分、都営新宿線「馬喰横山駅」徒歩3分、都営浅草線「東日本橋駅」徒歩7分東京メトロ半蔵門線・銀座線「三越前駅」徒歩10分と、アクセスも抜群。施設は建物の2階にあるので入口まではエレベーターで上がります。
AViCはエビデンスに基づく運動プログラムを利用者さんに提案
AViCがパーキンソン病の患者さんに提供するのは、パーキンソン病に特化した身体評価に基づいて専門家が設計したプログラムです。同時に4人ほどの患者さんがリハビリを受けるので、いつでもセラピストの目が届きますし、患者さんの体調に合わせてメニューの内容や負荷を調整してくれます。
コースは2種類。1コマ75分の個別リハビリを受けられる「パーキンソン病のコース」は1回あたり15,000円(税別)。ご自宅から受けられる「オンラインコース」は月額制で、週1回(月4回)のセッションを提供しています。価格は月額17,820円(税別)。
どちらのコースも、パーキンソン病に特化した国家資格保有の専門職が担当し、一人ひとりの症状や生活環境に合わせたオーダーメイドの運動プログラムを提供します。転倒予防や歩行改善、身体のこわばり対策など、日常生活に直結したサポートを継続的に受けられる点が特長です。
また、初回、3カ月後、6カ月後など、定期的にセラピストが体の状態や症状を評価します。体の状況と運動症状を可視化することで、最新の利用者さんの状態に合わせた適切なトレーニングを取り入れることができます。なお、このタイミング以外にも気になることがある場合には、いつでもセラピストが相談に応じます。
体験レポート
それでは早速、体験の様子について紹介しましょう。今回は時間の都合により、通常のプログラムの中から一部だけ抜き出して鈴木さんが体験しました。まずはカウンセリングから。鈴木さんの症状が出始めた時期や普段の生活の様子、主治医の治療方針などを、岩澤さんが丁寧に聞き取ります。手足の震え(振戦)や筋肉のこわばり(筋強剛)といった運動症状だけでなく、立ちくらみやめまいなどの非運動症状も聞き取っていました。

⦅写真:丁寧に患者さんの症状を聞き取ります ⦆
ここで聞き取った内容と体の状態に合わせて、今後のリハビリのスケジュールやメニューを決めるそうです。岩澤さんはこのとき、科学的な根拠のある運動メニューを選ぶように心掛けているそうです。患者さんの要望や症状の重さ、目標とする期間に応じて、AViCのスタジオに通う頻度や負荷の強さを設定してくれるので、心配なことがあれば気軽に相談できます。
聞き取りの後は、バランス感覚や歩行機能を確認しました。ベッドに腰掛けてから5回立ち上がるまでの時間を測ったり、数メートル先まで歩く姿勢と速さを観察したり、丁寧に進められます。ベッド上では首や肩周りの柔軟性も評価しました。

⦅写真:肩周りの柔軟性を確認中 ⦆
これは、足で蹴る力を測定する機械です。機械をすねに当てて足を前に強く蹴り出すことで、足の筋力を測定できます。

⦅写真:この機会を足に装着して筋力を測定します ⦆
症状の聞き取りや評価が終わると、目標とリハビリのプログラムを決めます。プログラムはストレッチや筋トレなどの共通メニューと、バランス感覚や歩行機能を鍛える個別メニューで構成されます。鈴木さんはまず、首と肩のストレッチを受けました。首の下へのタオルの入れ方など、自宅でもできるストレッチの方法も教えてもらえます。
次に、足腰の筋力を鍛えるためにスクワットをしました。鏡を見ながら、バランスを崩さないように両足を鍛えます。この時も、トレーニング中の姿勢で気を付けるポイントや、自宅でできるトレーニングの工夫を教わっていました。通常メニューは1コマ60分間なので、ストレッチ、筋トレ、有酸素運動をそれぞれ20分間くらいずつ行うようなイメージだそうです。

⦅写真:患者さんと相談しながらメニューを決めます ⦆
プログラムを体験した鈴木さんの感想は?
プログラム体験後の鈴木さんに感想を聞きました。
鈴木さん「普段病院などで受ける治療よりも、私個人の状態に合わせた運動メニューを豊富に提供してもらえました。施術前と比べて特に首の周りが楽になりました。自分ではなかなかマッサージしづらい場所なので、専門家に施術してもらえて良かったです。また、トレッドミルなど、他の施設にはない器具も魅力的ですね。施術してくれる理学療法士が常に見てくれているので、安心感があります」
「今回は日本橋の施設で体験しましたが、この店舗は10時30分から21時まで営業しているそうなので(取材当時)、働いている方にも通いやすいと思います」
オーダーメイドのリハビリで後遺症の改善を目指すAViC
AViCは、脳血管疾患や整形疾患などの後遺症からの改善を支援するリハビリスタジオ。利用者さん一人一人が持つ「こうなりたい」という希望を叶えるためのリハビリを提供します。日本橋(東京都中央区)、尾山台(東京都世田谷区)、名古屋にそれぞれ店舗を構えています。
もちろんパーキンソン病の患者さんだけでなく、脳卒中や、肩コリや腰痛など整形疾患の後遺症によって悩んでいる患者さん、入院後や手術後に筋力または体力の衰えを感じている人などが利用できます。患者さん個人個人の状態に合わせたオーダーメイドリハビリプログラムは、1コマ75分で15,000円(税別)。週3回以上で3カ月以上継続すると割引も受けられます。
その他、自宅や入居施設にセラピストが機器を持参してリハビリを提供する訪問リハビリサービスも提供しています。3.5km圏内であれば1コマ60分で18,000円(税別)で受けられます。それより遠い場合でも、移動料金の負担は必要ですが対応してもらえます。パソコンやタブレット端末からオンラインでセラピストに直接相談できる相談サービスは月額9,800円(税別)で利用可能です。
初回のカウンセリング時に病歴やお身体の状態、目標などをカウンセリングし、自身に合った施術やトレーニングメニューを紹介します。施設の見学や体験プログラムも受け入れているので、まずはお気軽にお問い合わせください。
取材協力:株式会社豊通オールライフ