はじめに
一般財団法人日本財団電話リレーサービスは、「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律(令和2年法律第53号)」に基づき、総務大臣が全国で1者指定する電話リレーサービス提供機関が、電話リレーサービスを提供する業務を行うこととしており、一般財団法人日本財団電話リレーサービスがその指定を受け、2021年7月1日より、サービスの提供を開始しました。
組織概要
基本情報
一般財団法人日本財団電話リレーサービスは2020年8月4日に設立され、東京都千代田区神田錦町に本部を置いています。総務大臣が全国で1者指定する電話リレーサービス提供機関として、24時間365日体制でサービスを提供しています。
事業内容
同財団の主な事業内容は以下になります。
電話リレーサービス
聴覚や発話に困難のある人(きこえない人)ときこえる人(聴覚障害者等以外の人)との会話を通訳オペレータが「手話」または「文字」と「音声」を通訳することにより、電話で即時双方向につながることができるサービスです。
ヨメテル
2025年1月23日に新たに開始されたサービスで、電話で相手先の声が聞こえにくいことがある人(きこえにくい人)へのサービスとして、通話相手の声を文字にする電話アプリです。
電話リレーサービスの詳細
サービス概要
電話リレーサービスは、聴覚や発話に困難のある人(以下、きこえない人)ときこえる人(聴覚障害者等以外の人)との会話を、通訳オペレータが「手話」または「文字」と「音声」を通訳することにより、電話で即時双方向につながるごとができるサービスです。
通訳オペレータがきこえない人の手話または文字と、きこえる人の音声を即座に通訳します。きこえない人からもきこえる人からも双方向に発信ができます。また、24時間365日対応で緊急通報(110番、119番、118番)にも対応し、スマートフォン、タブレット、パソコンなどでの利用が可能 となっています。
対象ユーザーと利用条件
このサービスの対象ユーザーは、聴覚や発話に困難のある人です。具体的には身体障害者手帳(聴覚・言語)を持っている方、病院で電話の利用が難しいと診断を受けている方、聞こえないことがある方、加齢等で後天的に耳が聞こえづらくなった方、吃音や難病により発話が困難な方等を含みます。
利用するためには、専用アプリまたは郵送による利用者登録が必要で、本人確認書類の提出が求められます。なお、虚偽申告があった場合は登録解除となる可能性があります。
アプリの登録方法と利用手順
電話リレーサービスを利用するには、まずスマートフォンに専用アプリをダウンロードする必要があります。iPhone・iPadの場合はApp Storeから、Androidの場合はGoogle Play ストアから「電話リレーサービス」を検索してダウンロードします。
登録手続きは、アプリを起動して「新規登録」をタップし、音声利用確認画面・通知送信許可画面で「許可」を選択します。その後、画面に従って設定を行います。
パソコンのみで利用される方向けには、郵送での登録方法も提供されています。書類をダウンロードまたは資料請求し、必要事項を記入して本人確認書類のコピーを添付して、一般財団法人 日本財団電話リレーサービス 利用登録担当まで郵送する必要があります。
料金体系と利用料金
電話リレーサービスを利用する場合の通話料は、電話をかけた人が負担する仕組みとなっています。きこえない人が発信する湯合は、月額料なしプランと月額料ありプランの2つから選択できます。
月額料なしプランでは、固定電話・特定IP電話への通話料が16.5円/分(税抜き15円)、携帯電話への通話料が44円/分(税抜き40円)のみとなります。
月額料ありプランでは、月額料が178.2円/月(税抜き162円)で、固定電話・特定IP電話への通話料が5.5円/分(税抜き5円)、携帯電話への通話料が33円/分(税抜き30円)となります。なお、緊急通報・フリーダイヤルヘの発信は両プランとも無料です。
支払方法としては、クレジットカード、キャリア決済(docomo・au・Softbank)、払込票(コンビニエンスストア)が利用できます。
きこえる人が電話リレーサービス利用者(きこえない人)に電話をかける場合は、特別な利用科は発生せず、IP電話(050番号)への発信料金が適用されます。
高度な機能と利便性
電話リレーサービスは24時間365日利用可能で、緊急通報(110番、119番、118番)にも対応しています。業務上のやりとりや急な予定変更などの仕事関連、病院への連絡や診療予約などの医療関連、警察、消防、海上保安庁への通報などの緊急時、レストランの予約や宅配便の再配達依頼などの日常生活まで、多様な利用シーンで活用できます。
このサービスに登録すると、利用者には050から始まる専用電話番号が付与され、通常の電話と同様に双方向の発着信が可能です。利用者には050から始まる専用電話番号が付与されます。専門の通訳オペレータが手話または文字で話した内容を音声で相手に通訳し、相手の返答を通訳してきこえない人に伝達する仕組みにより、自然な会話を実現しています。
ヨメテルの詳細
サービス概要と技術的特徴
ヨメテルは2025年1月23日より提供開始された、電話で相手先の声が聞こえにくいことがある人(以下、きこえにくい人)向けの文字表示電話サービスです。最新のAl(自動音声認識)または文字入力オペレータにより、通話相手の音声をリアルタイムで文字に変換します。利用者は速度重視のAl音声認識と、正確性重視の文字入力オペレータの2つの選択肢から、状況に応じて選択することができます。
対象ユーザーと利用条件
ヨメテルの潜在的なユーザー数は1400万人以上とされており、難聴や中途失聴などにより自分の声で話すことはできるが、電話で相手の声が聞こえにくいことがある人が対象となっています。従来の電話リレーサービスが主にご自身の声を使わない聴覚障害者や発話困難者を対象としていたのに対し、ヨメテルはご自身で発話する方を対象としています。
アプリの登録方法と利用手順
ヨメテルを利用するには、スマートフォンにアプリをダウンロードし、オンラインでの利用登録が必要です。推奨対象OSはiOSの場合iOS16以上、Androidの場合Android12以上となっています。登録は最短4ステップで完了し、本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、各種健康保険被保険証)を用いてオンライン上で本人確認ができれば、即時に専用の電話番号が発行されます。
料金体系と利用料金
ヨメテルを利用する場合の通話料は、電話をかけた人が負担する仕組みとなっています。きこえにくい人が発信する場合は、月額料ありプランと月額料なしプランの2つの料金体系から選択できます。
通話相手となる人の利用登録は不要で、発着信の冒頭に8秒の音声ガイダンスが流れた後、通常の音声電話と同様に会話を行うことができます。
高度な機能と利便性
ヨメテルには文字サイズの調整機能が付いており、幅広い年齢層の方々が快適に利用できる設計となっています。また、クレジットカードの本人確認や企業への問い合わせ時にある音声案内も文字起こしできるため、日々の用事を誰かに頼ることなく済ませることが可能になります。24時間365日いつでも利用可能で、緊急通報にも対応しており、聴覚に不安のある方々の生活をより便利なものにすることが期待されています。
まとめ
このサービスは、難病や障害を持つ方々にとって、電話へのアクセスという観点から非常に重要な社会インフラであり、多くの方に知っていただきたいサービスです。ぜひご活用ください。
また、周りの人にはぜひ、こういったサービスがあることをお伝えいただければと思っております。