
2025年6月、希少疾患である「前庭水管拡大症」および「ペンドレッド症候群」の患者・家族を支援するNPO法人 前庭水管拡大症・ペンドレッド症候群の会 (ZENPE)の設立記念イベントが盛大に開催されました。
NPO法人としての認証は2025年5月30日に取得され、ZENPEは正式に活動を開始しました。本イベントは、新たな一歩を祝い、未来への希望を共有する特別な日として、北海道、愛知県、岐阜県をはじめとする全国各地から多くの参加者が来場し、オンラインでも多数が参加しました。
「ZENPE」設立の背景と活動目的

会の代表である大島氏は、2022年9月に自身のお子さんが前庭水管拡大症と診断されたことをきっかけに、患者家族会の設立を決意しました。この疾患はまだ広く知られておらず、根本的な治療法や治療薬が確立されていません。また、医療情報が専門的で分かりにくく、指定難病にも認定されていないため、患者や家族は孤立感や不安を抱えやすい現状があります。
ZENPEは、こうした課題に直面する患者や家族が互いに支え合い、前向きに進むことの大切さを信じ、「病気を知り、自分を知る。私たちはその先の【ありたい姿】を創造する為の会」となることを目指しています。
ZENPEは、疾患の個人差が大きいことから、「自分の取扱説明書をいかに作るか」が重要だと考えており、「障がいは乗り越えるものではなく一生付き合っていくもの。だからこそ、持って生まれたものと共に、その人がその人らしく、最高の人生を!」という想いで活動していますとのこと。
具体的な目標として、以下の活動を掲げています

- 分かりやすい医療情報の提供: 患者家族が正しい知識を得られるよう支援。
- 治療薬の国内承認と指定難病認定: 患者家族の生活の質向上を目指す。
- 患者データベースの構築: 医療機関と連携し、治療と研究を促進。
- 認定NPO化により社会的な信頼性を高め、認知度向上と活動の場を広げる。
- 医療ネットワークの構築: 全国の専門病院や医師との連携を強化し、地方による医療格差を是正。
- 国際連携: 世界の患者団体とつながり、情報共有を行い治療や研究に役立てる。
- 啓蒙活動と要望提言: 疾患の認知度向上と医療費負担の軽減を目指す。
多方面からの支援と協力
イベントでは、様々な分野の専門家や支援者からの祝辞と講演がありました。
代表顧問医師 松永 達雄先生
国立病院機構東京医療センター 臨床研究センター 聴覚平衡覚研究部 部長 臨床遺伝センター センター長
顧問医師 藤岡 正人先生
北里大学医学部 分子遺伝学 教授 北里大学 北里研究所病院 耳鼻咽喉科(兼担) 慶應義塾大学 再生医療リサーチセンター 訪問教授
顧問医師 瀬戸 由記子先生
東邦大学大森病院 耳鼻咽喉科 准修練医 小児難聴外来 聖徳大学教育学部 兼任講師
自由民主党 横浜市会議員 磯部圭太先生
大島代表は、2022年9月に患者家族会の設立を決意して以来、多くの支援を受けて準備を進め、2025年5月30日にNPO法人として正式に認証を得たことを報告しました。設立当初は想像もできなかった専門性の高い体制を築けたことへの感謝を述べ、今後も活動を強化していく決意を示しました。
前庭水管拡大症やペンドレッド症候群がまだ広く知られていない疾患であり、患者本人だけでなく家族の生活にも深い影響を及ぼすことに言及し、同じ経験を持つ仲間と共に支え合い、前を向くことの大切さを強調しました。
設立記念イベントへの協力企業・団体
本イベントは多くの企業や団体の協賛・協力によって実現しました。
- リオン株式会社:
- 一般財団法人日本財団電話リレーサービス
- ノーベルファーマ株式会社
- ニュージャパンヒアリングエイド株式会社
- 株式会社東京アートラボ
- NPO法人難病ネットワーク(当団体)
ZENPEは、患者家族、医療機関、各種機関と手を取り合い、支え合い、理解を深めながら、未来への一歩を踏み出すために共に未来を築く活動を続けていくことを表明しました。今後、患者や家族の心の拠り所となり、より良い未来を共に築いていくことが期待されます。
