調査の結果を発表しました。この調査により、難病患者さんが直面している深刻な課題や求めている支援の実態が明らかになりました。

衝撃的な治療の現状

約4割が「現在治療していない」

調査結果で最も注目すべきは、回答者の40.5%が「現在治療をしていない」と回答したことです。一方で、89.3%の方が「薬物療法」を治療方法として挙げており、治療の継続性や治療へのアクセスに課題があることが浮き彫りになりました。

治療満足度は57.0%にとどまる

「現在受けている治療に満足している」と回答した患者さんは57.0%で、半数以上が治療に対して何らかの不満や課題を抱えている現状が明らかになりました。

患者さんが抱える深刻な課題

最適な治療法がない現実

現状の課題として最も多かったのは、61.2%が「最適な治療法、治療薬がない」と回答したことです。これは難病の特性を如実に表している結果といえます。

将来への不安と社会的理解不足

  • 45.3%が「治療の見通しが立たず将来への不安が大きい」
  • 43.5%が「周囲の人の病気に対する理解が不十分」

これらの結果は、医学的な課題だけでなく、心理的・社会的な支援の必要性を強く示しています。

患者さんが求める情報と支援

医療費負担軽減への強いニーズ

72.8%の回答者が「医療費負担の軽減に関する制度に関心がある」と回答し、突出した結果となりました。難病患者さんにとって経済的負担が大きな課題であることが明確に示されています。

詳細な医療情報への関心

過半数以上の方が以下の情報に関心を持っています:

  • 病気に関する詳しい情報
  • 治療薬の効果に関する詳しい情報
  • 日常生活を支える情報
  • 経済的・社会的な支援に関する情報

治験への積極的な参加意向

新しい治療法の治験に対しては

  • 24.2%が「積極的に参加したい」
  • 55.7%が「条件次第で協力したい」

合計約80%の患者さんが治験への参加に前向きな姿勢を示しており、新たな治療法への期待の高さがうかがえます。

情報収集の実態

医師とインターネットが主要な情報源

病気や治療、研究に関する情報源として

  • 68.5%が「医師」
  • 66.8%が「インターネット検索」

医師からの情報とインターネット検索がほぼ同等の割合で利用されており、患者さんが積極的に情報収集を行っている現状が明らかになりました。

調査概要

調査規模と期間

  • 対象:全国の指定難病患者さんとご家族2,393名
  • 方法:楽天インサイトによるインターネット調査(2,000件)、患者団体によるWEBアンケート(393件)
  • 期間:2025年3月28日~5月31日

今後の取り組み

日本患者支援財団は、この調査結果を受けて「患者さんをみんなで支える仕組みづくり」のミッションのもと、医師・患者団体・製薬会社・研究班・関連団体と連携しながら、難病患者向け情報発信プラットフォーム「かんしん広場」を通じて、患者さんが求める情報を継続的に提供していくことを表明しています。

この調査結果は、難病患者さんの現状と課題を包括的に把握した貴重なデータとして、今後の医療政策や支援制度の改善、新たな治療法開発の方向性を示す重要な指針となることが期待されます。

出典

一般財団法人 日本患者支援財団

ソースURL: https://www.psf.or.jp/20250618

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