アレクシオンファーマ合同会社は2025年5月14日、「希少疾患白書 『診断ラグ』の実態と解消に向けての提言 ~最新テクノロジーと社会の力で実現するヘルスエクイティ~」を刊行しました。この白書は、希少疾患患者が直面する「診断ラグ」(診断の遅れ)の実態を分析し、その解決策を提示しています。

診断ラグの深刻な実態

白書によると、希少疾患患者の診断までに要する期間は平均3.4年間にも及び、全体の35%(約3人に1人)は診断に5年以上かかっていることが明らかになりました。また、希少疾患患者の59%が誤診を経験しており、医療費は一般対照群と比較して約3.4倍、通院日数は約2.2倍に達しています。

診断ラグ解消に向けた6つの提言

白書では、診断ラグの解消に向けて以下の6つの提言をまとめています。

  1. 新生児マススクリーニング検査対象疾患の拡大と重症新生児への全ゲノム検査導入
  2. AI診断支援ツール(SaMDなど)の活用促進
  3. 希少疾患の「Center of Excellence」構築と非専門医・専門医のつながり強化
  4. 希少疾患データの早期診断への活用環境整備
  5. 患者団体の意見を政策に反映させる仕組みと資金基盤の強化
  6. 政府の中核的取り組みへの診断ラグ/診断ロス解消施策の組み込み

専門家のコメント

アレクシオンファーマ合同会社の濱村美砂子社長は「希少疾患における診断ラグを少しでも解消したいという思いから、この白書を取りまとめました」と述べています。また、特定非営利活動法人ASridの西村由希子理事長は「この白書は、診断ラグという構造的課題に光を当て、データとともに多様な提言を盛り込み、改めて社会全体での議論を促す重要なステップ」とコメントしています。

なお、5月23日は「難病の日」として、2014年5月23日に難病法が成立したことを記念して制定されており、今年は難病法成立から10年の節目の年となります。

ソースURL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000074822.html

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