2025年7月24日、株式会社テックドクターは東京科学大学などと共同で、ウェアラブルデバイスのデータを活用した全身性エリテマトーデス(SLE)患者の状態予測アルゴリズム開発の成果を発表しました。欧州リウマチ学会(EULAR 2025)での発表内容に基づくもので、難病治療の個別化・最適化にAI技術が実用段階へ進みつつあることを示しています。

どんな研究が行われたのか?

  • 対象疾患: 全身性エリテマトーデス(SLE)
    • 自己免疫の異常による難病で、炎症や全身症状が周期的に出現・悪化する
  • プロジェクト: 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「医療機器等研究成果展開事業(チャレンジタイプ)」採択研究

技術のポイントと成果

手首装着型ウェアラブル(Google Fitbit)から取得したバイタルデータと、「ループス低疾患活動状態(LLDAS)」など従来の臨床指標・治療薬情報・患者報告アウトカム(PROs)を組み合わせ、AIによる高精度な「疾患活動性」予測アルゴリズムを開発。ウェアラブルデータを活用することで、従来法より正確に患者の状態悪化や安定を早く把握できる可能性が示されました1

この成果は、EULAR 2025でポスターツアーに選出されるほど国際的にも大きな注目を集めたとのことです。

社会・医療現場へのインパクト

  • 患者の生活の質向上:毎日のバイタルデータにより自宅での状態把握や、早期の悪化予兆検知が可能に
  • 医療現場の効率アップ:診察時だけでなく継続的な管理・治療方針決定へのデータ活用が現実味を帯びます
  • 個別化医療推進:AIとバイタル連携で、患者一人ひとりの状態に応じた最適な治療用量やタイミング判断への活用に期待

テックドクター社の今後の取組

テックドクターは「データで調子をよくする時代へ」を掲げ、ウェアラブル技術やデジタルバイオマーカーの社会実装を進めているスタートアップ。医療・製薬企業や研究機関とも連携し、今後もデータ駆動型の医療AI導入拡大を目指しています。

難病・自己免疫疾患の未来は、ウェアラブルとAIで大きく変わりつつあります。より良い治療と患者体験の実現に期待が高まります。

ソースURL: https://www.technology-doctor.com/news/20250724

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