一般社団法人Sakura Network Japanとアミカス・セラピューティクス社が、9月22日の「ライソゾーム病の日」に先駆けて、ライソゾーム病の疾患啓発動画を共同制作・公開しました。患者中心の情報発信と早期診断・支援体制の強化を訴える内容です。
啓発動画の主旨と内容
動画は、Sakura Network Japanが毎年開催する支援イベント「Sakuraの会」の様子を軸に、医師・患者・支援者・一般参加者の声を交えながら構成されています。主なテーマは以下の通りです:
- ライソゾーム病を知ってもらう:疾患の概要やサブタイプ(ゴーシェ病、ファブリー病、ポンペ病など50以上)を紹介
- 早期発見の重要性:診断の遅れやロスが生む課題を提示
- 社会的な難病支援の意義:国・自治体・医療機関・製薬企業・患者団体が連携する必要性を強調
この動画はYouTubeおよびさくら・ねっとの各種セミナー・啓発イベントで活用されます。
ライソゾーム病とは
ライソゾームは細胞内の分解装置で、異常が生じると脂質や糖鎖が蓄積し、組織障害を引き起こします。代表的な疾患には以下があります:
- ゴーシェ病
- ファブリー病
- ポンペ病
- ムコ多糖症
いずれも希少疾患で患者数が少なく、診断が難しい・専門医機関が不足する・治療法が限られるなどの課題を抱えています。
希少疾患を取り巻く現状と課題
動画では、以下の問題点を挙げ、啓発活動の必要性を訴えています
- 診断の遅れ・診断ロス:認知度の低さが原因
- 専門医療機関の不足:遠方受診を余儀なくされるケース
- 研究開発の遅れ:患者数の少なさが障壁
- 治療法の不足:根本治療が限られる疾患多数
- 情報不足:患者・家族が必要な情報を得にくい
- 社会的理解の欠如:偏見や孤立を招く
- 経済的負担:高額医療費・介護費用が重い負担
これらの課題解決には、多様な関係者の連携と社会的理解の促進が不可欠としています。
「ライソゾーム病の日」の制定背景
「ライソゾーム病の日」は、ファブリー病の原因遺伝子座「X染色体q22」にちなみ、2019年5月に日本記念日協会が正式認定しました。当日は国内外で啓発活動が行われています。
今後の「Sakuraの会」開催予定
Sakura Network Japan主催の支援イベント「Sakuraの会」は、以下の日程で予定されています。
- 第17回:2025年10月25~26日@名古屋城本丸御殿
- 第18回:2026年3月20~21日@岡山城
- 第19回:2026年5月30~31日@横浜開港記念会館
疾患啓発と患者交流の場として継続開催されます。
ライソゾーム病を含む希少疾患支援は、患者さんと社会をつなぐ情報発信が鍵となります。今回の啓発動画は、その第一歩として多くの方に疾患を知ってもらい、早期診断と包括的支援体制の構築に向けた機運を高める役割を果たすことでしょう。
ソースURL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000149562.html