2025年第2回目の希少疾患連絡会セミナーをご案内いたします。
開催概要
- 日時: 2025年8月12日(火)18:00〜20:00
- 開催形式: ハイブリッド開催(現地参加+オンライン)
- 会場: エイツーヘルスケア株式会社 A2HALL
(文京区小石川1-4-1 住友不動産後楽園ビル20F)
ご講演内容
【第一部】青木吉嗣先生
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 遺伝子疾患治療研究部
講演タイトル:「神経筋疾患に対するヒト尿由来幹細胞研究の基礎と応用」
青木先生は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対するデュアルターゲティング・アンチセンス核酸医薬の開発において、世界で最初に臨床治験での効果を確認されました。この薬剤は世界初のエクソン44スキップ薬として、20.55%のジストロフィン誘導を達成しています。
さらに、尿由来幹細胞(UDCs)を直接筋細胞に分化させた研究では、臨床で効果が確認された患者由来のUDCsでも同様の効果が示され、臨床における医薬品や治療効果を予測できる非臨床の人細胞モデルとしての可能性が示されています。
現在、FDA(米国食品医薬品局)とNIH(米国国立衛生研究所)が動物試験削減の方針(NAMs:New Alternative Methods)を強化しており、毒性評価ではiPS細胞由来の組織チップが推進されています。しかし、患者個別の有効性や安全性を予測するモデルはまだ確立されていません。青木先生が主導されているAMED研究「尿由来幹細胞のダイレクトリプログラミングを活用した神経難病創薬プラットフォームの構築」は、創薬における課題解決につながる可能性があり、治療法のない希少難病の治療法開発に貢献することが期待されます。
【第二部】本間美和子先生
福島県立医科大学
講演タイトル:「がん予後バイオマーカーとしてのCK2」
本間先生は、有効な治療法の少ないトリプルネガティブ乳がん(TNBC)などにおいて、がん細胞核小体及び腫瘍微小環境(TME)におけるCK2(カゼインキナーゼ2)の局在が予後や再発に関係することを明らかにされました。
研究結果によると、TNBC患者において核小体でCK2が陰性である場合、ほぼ100%が再発しないという重要な知見を得られています。この発見は、乳がん患者の術後管理において、再発リスクの評価や治療方針の決定に大きく貢献する可能性があります。
また、再発リスクがある場合でも、生活習慣の改善や定期的な検査によってリスク低減につながることが期待されます。本研究成果の普及により、CK2阻害薬の研究開発が促進されることも期待されています。
参加方法
【現地参加】
PDFにあるご担当者さまに直接メールでご連絡ください。
【オンライン参加】
Zoom情報:
- ミーティングID:822 2542 8948
- パスコード:179226
- URL:https://us02web.zoom.us/j/82225428948?pwd=6gAFIWbRzHvCNuCxLGiqXrGgWofy64.1