2025年5月19日、「世界IBDデー」を記念して大阪府内の3箇所の象徴的建造物が紫色にライトアップされました。大阪の患者会「大阪IBD」が主催したこのイベントでは、1970年大阪万博のシンボル「太陽の塔」(吹田市)、大阪城天守閣(大阪市中央区)、そして大観覧車「オオサカホイール」がIBDの啓発カラーである紫色に包まれました。

イベントの背景と目的

このライトアップイベントは、炎症性腸疾患(IBD)に対する社会的な理解を深めるために実施されました。昨年は大阪城のみでの開催でしたが、今年は開催中の大阪・関西万博に合わせて太陽の塔と近くの大観覧車も加わり、規模が拡大しました。

IBD(炎症性腸疾患)とは

IBDは主に「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」に分類される難病で、国内の推定患者数は約29万人に上ります。大腸や小腸など消化管に炎症が起こるこの疾患は、下痢や腹痛が主な症状で、トイレの回数増加や食事制限など患者の日常生活に大きな影響を与えます。

外見からは症状がわかりにくいため「見えない難病」とも呼ばれ、社会的な理解や支援が必要とされています。世界的には500万~1000万人の患者がいると推定されています。

患者の声

大阪IBD共同代表の三好和也さん(51歳)は、「ひどいときは1日10回以上、トイレに行かないといけない。多くの人がIBDを知るきっかけになれば」と話しています。同団体は昭和61年(1986年)2月に「同じIBD患者仲間で助け合って、IBD患者を救おう」という想いから発足し、患者とその家族を中心に活動しています。

「世界IBDデー」について

5月19日は国際的に「World IBD Day(世界IBDデー)」として認知され、日本では「IBDを理解する日」として制定されています。この日は世界各地でIBDに関する啓発イベントが開催され、患者同士の結びつきや難病についての正しい理解を広める機会となっています。

紫色のライトアップは、IBDへの理解と共感を象徴するもので、見た人々にこの難病について考えるきっかけを提供しています。

ソースURL: https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20250519-OYO1T50048/

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