東邦ホールディングス株式会社は2025年5月14日、再生医療等製品の開発を手掛けるバイオベンチャー企業であるイシンファーマ株式会社(東京都中央区)と資本業務提携を締結したと発表しました。

提携の背景と目的

東邦ホールディングスは「全ては健康を願う人々のために」というグループ・スローガンのもと、医薬品卸売、調剤薬局、医薬品製造販売、顧客支援システムの開発・提供などの事業を展開しています。同社は中期経営計画「次代を創る」の具体的施策の一つとして「スペシャリティ製品フルラインサービス」を掲げており、今後成長が期待される再生医療等製品の取り扱いを通じて、国内医薬品流通における必要不可欠なポジションの確立を目指しています。

イシンファーマについて

2008年9月に創業したイシンファーマは、指定難病である表皮水疱症の治療を目的とした再生医療等製品「ISN001」の開発に取り組んでいます。この製品は既に治験段階に入っており、製造販売承認申請に向けた最終段階にあります。また、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の笠原典之教授との共同研究により、遺伝子転送による創薬プラットフォームをベースとした間葉系幹細胞を応用した難病治療剤の開発も進めています。

ISN001について

ISN001は、表皮水疱症という指定難病(三十六)の治療薬です。表皮水疱症は遺伝性の皮膚疾患で、日常生活の軽微な外力でも表皮が剥離し、全身に水疱やびらん、潰瘍を形成する病気です。

ISN001は健常人ボランティアから採取したヒト(同種)脂肪組織由来間葉系幹細胞を含むゲル状のシート製剤で、間葉系幹細胞の作用により抗炎症、血管新生、肉芽形成、表皮形成を促進します1。また、製剤上の工夫によりディープフリーザーで長期保管が可能で、東邦ホールディングスグループの医薬品物流システムで医療機関に届けることができるという特長があります。

今後の見通し

東邦ホールディングスは、イシンファーマへの出資を通じて研究開発を支援するとともに、同社製品の外観検査、出荷判定、流通においても全面的に協力する予定です。本提携による業績への影響は現時点では軽微ですが、中長期的には同社グループの企業価値向上に資するものと考えられています。

ソースURL: https://www.tohohd.co.jp/

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