中外製薬株式会社が、親会社ロシュ社による眼科治療薬「バビースモ®」の重要な臨床試験データ発表について報告しました。9月5日に開催された第25回ヨーロッパ網膜専門医学会で公表されたこの最新データは、加齢黄斑変性の治療において長期的な効果と安全性を示す重要な成果となっています。

2つの重要な臨床試験結果を同時発表

今回発表されたのは、**バビースモ®(ファリシマブ)**に関する以下の2つの臨床試験データです。

AVONELLE-X試験|4年間の長期追跡データ

中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)を対象とした第III相臨床試験の4年データが発表されました。この長期追跡により、治療効果の持続性と安全性プロファイルが詳細に検証されています。

SALWEEN試験|アジア人対象の1年データ

ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)のアジア人患者を対象とした第IIIb/IV相臨床試験の1年データが公表されました。アジア系患者に特有の病態に対する治療効果が確認されています。

国際学会での注目発表

これらのデータは、令和7年9月5日に開催された第25回European Society of Retina Specialists (EURETINA) Congressにて詳細に発表されました。EURETINAは世界有数の網膜専門医学会であり、眼科領域の最新治療に関する重要な情報が共有される場として知られています。

バビースモ®について

バビースモ®(一般名:ファリシマブ)は、加齢に伴って起こる目の病気「加齢黄斑変性」の治療に用いられる薬剤です。特に「湿性」と呼ばれるタイプの加齢黄斑変性において、視力の維持・改善を目指した治療が行われています。

中外製薬とロシュ社の連携体制

中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、スイス・ロシュ社のグループ会社として、海外で開発された革新的な医薬品を日本の患者さんに届ける重要な役割を担っています。

今回の発表も、ロシュ社が実施した臨床試験の成果を日本の医療関係者や患者さんに適切に情報提供する取り組みの一環となっています。

詳細情報の確認方法

ロシュ社の原文プレスリリース

より詳細な臨床試験データについては、ロシュ社が発表した英文プレスリリース「New data for Roche's Vabysmo reinforce its efficacy, safety and durability in neovascular or "wet" age-related macular degeneration (nAMD)」で確認できます。

参照URLhttps://www.roche.com/media/releases/med-cor-2025-09-05chugai-pharm

加齢黄斑変性は高齢化社会において患者数が増加している眼疾患であり、今回の長期データ発表は治療を受ける患者さんやご家族にとって心強い情報となることでしょう。継続的な治療効果と安全性が確認されたことで、より安心して治療に取り組むことができそうです。

ソースURL: https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20250905153000_1511.html

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