千葉県が難病患者を対象とした公務員採用の新たな枠組みを創設しました。従来の障害者雇用に加え、難病を抱える方々の就労機会を拡大する画期的な制度として注目されています。

制度新設の背景と意義

全国初の取り組み

千葉県では、これまで障害者雇用の推進を図るため障害のある方を対象とした職員採用選考考査を実施してきましたが、今年度から難病患者を対象とする区分を新設し、「障害のある方・難病のある方を対象とした千葉県職員採用選考考査」として実施します。

雇用促進への積極的姿勢

この取り組みは、難病患者の雇用が進むよう県が積極的に取り組む姿勢を示すもので、公的機関が率先して難病患者の就労支援を行う重要な施策となっています。

採用予定と職種

障害者区分

35名程度の採用予定で、以下の9職種が対象となります。

職種採用予定人員主な業務内容
一般行政20名程度庶務・経理、企画・立案、調査、指導、折衝等
警察事務8名程度情報処理、会計、福利厚生、資料統計等
獣医師1名程度家畜保健衛生、食品・生活衛生等
薬剤師1名程度薬事監視、衛生監視、医薬品等の試験研究等
保健師1名程度健康相談、保健指導、衛生管理等
管理栄養士1名程度栄養関係、衛生関係等
保育士1名程度入所児童の保育・生活支援等
臨床検査技師1名程度衛生関係の監視・検査等
看護師1名程度看護業務

難病患者区分(新設)

3名程度の採用予定で、一般行政職が対象となります。

勤務先は知事部局、各種委員会事務局、各種公営企業、県立学校等となっており、庶務・経理、企画・立案、調査、指導、折衝等の一般行政事務を担当します。

受験資格

障害者区分の受験要件

以下のすべての要件を満たす必要があります。

  • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれかの交付を受けている者
  • 地方公務員法第16条に定める欠格条項に該当しない者
  • 職種別の資格要件を満たす者

難病患者区分の受験要件

以下のすべての要件を満たす必要があります。

  • 厚生労働省が定める障害者総合支援法の対象疾病(難病等)に該当し、都道府県等から障害福祉サービスの受給者証の交付を受けている者
  • 地方公務員法第16条に定める欠格条項に該当しない者
  • 職種別の資格要件を満たす者

考査の概要

考査日程

  • 第1次考査:2025年10月19日(日)
  • 第2次考査:2025年11月15日(土)または11月16日(日)のいずれか1日

申込方法

インターネット(ちば電子申請サービス)から申し込み可能です。インターネットを利用できない場合は、8月18日(月)までに人事委員会事務局任用課まで連絡すれば、受験申込用紙を提供してもらえます。

考査内容

第1次考査

  • 教養考査:90分間、30問の択一式
  • 作文考査:60分間

第2次考査

  • 口述考査:個別面接

充実した受験上の配慮

千葉県では、受験者の状況に応じた幅広い配慮を提供しています。

基本的な配慮

  • 駐車場の利用
  • 車椅子での受験
  • 点字受験
  • 拡大文字による受験
  • 手話通訳の提供

特別な配慮

  • 考査時間の延長(視力条件を満たす場合)
  • 補装具等の持ち込み
  • 就労支援機関職員の同席(口述考査時)
  • パソコンでの解答
  • 音声読み上げソフトの使用

合格発表と採用

合格発表日程

  • 第1次考査合格者発表:11月5日(水)
  • 最終合格者発表:12月上旬

配点

  • 教養考査:100点
  • 作文考査:100点
  • 口述考査:400点

この制度の社会的意義

千葉県による難病患者区分の新設は、これまで就職において不利な立場に置かれがちだった難病患者の方々に、公務員という安定した職業への道を開く画期的な取り組みです。

公的機関が率先して難病患者の雇用に取り組むことで、民間企業にも同様の動きが広がることが期待され、難病を抱える方々の社会参加促進に大きな影響を与える可能性があります。

また、様々な受験上の配慮が充実していることも、受験者の実情に配慮した制度設計となっており、真に働く意欲のある方々が公平に挑戦できる環境が整備されています。

ソースURL: https://www.pref.chiba.lg.jp/jinji/ninyou/saiyoushiken/r7shogai-jukenannai.html

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