田辺三菱製薬が開発したALS(筋萎縮性側索硬化症)治療薬「ラジカヴァ」が、2025年5月1日からオーストラリアで販売を開始しました。これにより、同薬は世界で10か国目の承認・上市となり、より多くのALS患者への治療機会が広がることになります。
ラジカヴァの作用メカニズムと効果
ラジカヴァ(一般名:エダラボン)は、田辺三菱製薬が創製したフリーラジカル消去剤です。ALSの病態で上昇するフリーラジカルを消去して運動神経を酸化ストレスから保護し、筋力低下や筋萎縮の進行を遅らせる効果を有すると考えられています。オーストラリアでは、販売権を付与されたTeva Pharma Australia Pty Ltd.(テバ ファーマ オーストラリア)が販売を担当します。
グローバル展開の現状と今後の展望
ラジカヴァは2015年6月に日本で「ALSにおける機能障害の進行抑制」を効能効果として承認されて以来、韓国、米国、カナダ、スイス、インドネシア、タイ、マレーシア、ブラジルの9か国で承認を取得し上市していました。今回のオーストラリアでの販売開始により、世界10か国での提供が実現しました。
田辺三菱製薬は、ラジカヴァの価値最大化に向けて展開国の拡大を図るとともに、新規投与経路として経口剤の開発も進めています。同社は「これからもより多くのALS患者さんにラジカヴァを提供できるよう努めてまいります」と述べており、さらなる患者支援の拡大が期待されます。
ソースURL: https://www.mt-pharma.co.jp/news/2025/MTPC250527.html