アストラゼネカ株式会社は2025年5月9日、全身性エリテマトーデス(SLE)の患者とその家族をはじめとする周囲の方々に向けて、疾患啓発サイト「SmiLE.jp」とLINEアカウント「SLEケアナビ」による情報提供サービスを拡充すると発表しました。この取り組みは、継続的な情報提供を通じて患者の疑問や不安の解消に貢献することを目的としています。
全身性エリテマトーデス(SLE)について
SLEは自身の免疫機能が体内の正常な組織を攻撃してしまう自己免疫疾患で、国の指定難病のひとつです。日本国内の患者数は6~10万人と推定されており、患者の9割を女性が占め、特に20歳代から40歳代での発症が多い疾患です。
さまざまな臨床症状を伴う複雑な疾患であるため、多くの場合、患者は疾患を完全にコントロールすることが難しく、生活や健康関連のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の低下を経験することがあると報告されています。就業や就学、女性の場合は妊娠や育児、出産・産後の職場復帰などのライフステージにおいて影響を受けやすく、ひとりひとりに合った治療方針や目標について、専門医とのコミュニケーションが欠かせない疾患でもあります。
患者参加型の情報提供サービス
SLEは患者数が少ないことや、患者ごと、あるいは日ごとに異なる多彩な症状が出ることから、自分に当てはまる情報を得ることが難しい場合があります。また、診断時に得た情報や印象が、その後の治療や生活に影響を与えることもあります。
そこでアストラゼネカは、患者とのワークショップを実施し、患者の声を聞きながら、病気や治療、生活等に関する疑問や不安に寄り添うサービスや情報を、疾患啓発サイト「SmiLE.jp」とLINEアカウント「SLEケアナビ」を通して継続的に提供していきますとのこと。
SmiLE.jpについて
「SmiLE.jp」は、SLE患者とその家族を応援するためのウェブサイトで、SMILE(笑顔)をモチーフにサイトロゴをデザインしています。サイト内では、SLEに関する基本的な情報の他、日常生活でのお役立ち情報や、同じSLE患者からのメッセージなどを提供しています。
現在のSLE治療の目標は「患者ひとりひとりが、SLEでない人と同じように生活し、充実した人生を送ること」(全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019)とされており、このサイトはその目標達成を支援するものです。
なお、5月10日は「世界ループスデー」であり、この発表はそのタイミングに合わせたものとなっています。アストラゼネカは「患者を第一に考える」という企業バリューのもと、SLE患者が治療や生活に前向きに取り組める環境作りに貢献していくとしています。
ソースURL: https://www.astrazeneca.co.jp/media/press-releases1/2025/202505091.html