炎症性腸疾患(IBD)の患者さんが、職場での理解不足や配慮の欠如に悩んでいる現状が明らかになりました1。潰瘍性大腸炎とクローン病という2つの指定難病を患う方々が、就労環境の改善を強く訴えています。
炎症性腸疾患(IBD)とは
潰瘍性大腸炎とクローン病は、どちらも炎症性腸疾患(IBD)で国の指定難病に指定されています。これらの疾患には以下の特徴があります
- 原因が解明されていない
- 根本的治療法がない
- 若い年齢で発症することが多い
- 就学や就労、結婚など日常生活にも影響が出る
患者さんが直面する職場での困難
症状への理解不足
患者さんの中には、社内で潰瘍性大腸炎の症状をなかなか理解してもらえず、トイレに行く頻度を指摘してくる同僚もいたという深刻な事例が報告されています。
主な症状とその影響
炎症性腸疾患の主な症状は下痢や腹痛であるため、患者さんはトイレに行く回数が増えてしまいます。これにより
- 職場での頻繁なトイレ利用が必要
- 電車の乗り継ぎではトイレに行く時間を確保する必要がある
- 同僚からの理解が得られにくい状況
といった状況となっております。
患者会からの切実な訴え
患者会は現状について、「病気についてまだ理解されていない。理解や合理的配慮の必要性を企業などにもっと周知していく必要がある」と強く訴えています。
患者さん自身も「制度など働きやすい環境の向上に向け、社会全体でいろいろな取り組みをしてほしい」と切実な思いを語っています。
必要な支援と配慮
企業に求められる理解
- 炎症性腸疾患の症状と特性への正しい理解
- 頻繁なトイレ利用への配慮
- 合理的配慮の提供
社会全体での取り組み
- 病気に対する正しい知識の普及
- 働きやすい環境づくりのための制度整備
- 患者さんが安心して働ける職場環境の構築
まとめ
炎症性腸疾患は見た目では分からない病気であるため、職場での理解を得ることが特に困難な疾患です。若い年齢で発症することが多く、就労世代の患者さんが多いことから、企業や社会全体での理解促進と合理的配慮の提供が急務となっています。
患者さんが安心して働き続けられる社会の実現に向けて、私たち一人ひとりが炎症性腸疾患について正しく理解し、支援していくことが重要です。
ソースURL: https://news.yahoo.co.jp/articles/fb5c878a0cdcf3f144a630a915e7252342a315ec