指定難病「エーラス・ダンロス症候群(EDS)」を抱え、電動車いすで生活する片野真洸さん(18歳・埼玉県久喜市)が、カエルへの飽くなき探究心を原動力に、研究者への道を歩んでいます。 宗教専門紙「文化時報」が運営する福祉メディア「福祉仏教 for believe」が、片野さんのこれまでの歩みと前向きな姿勢に迫るインタビューを掲載しました。 難病を抱えながらも自分の「好き」を深め続ける姿は、同じ境遇にある多くの患者さんやご家族へのエールとなっています。

💡 用語解説:「エーラス・ダンロス症候群(EDS)」とは?
皮膚・関節・血管などをつなぐ「結合組織」がもろくなる遺伝性の疾患で、国の指定難病のひとつです。 関節が過度に動いたり、皮膚が傷つきやすかったりするほか、タイプによっては血管が破れやすいなどの症状があります。 症状の出方は人によって大きく異なり、日常生活への影響も個人差があります。現時点では根本的な治療法は確立されていません。

💡 用語解説:「合理的配慮」とは?
障害のある方が他の人と平等に権利や自由を享受できるよう、一人ひとりの状況に応じた必要な調整・変更を行うことです。 2021年の改正障害者差別解消法により、学校・企業などすべての事業者に提供が義務付けられました。 大学では、試験時間の延長・座席の配慮・通学サポートなどが合理的配慮として認められる場合があります。

10歳のキャンプで出会ったカエル、人生を変えた瞬間

片野さんがカエルに魅了されたのは10歳のとき。難病の子どもたちが集うキャンプで、1人で両手いっぱいにカエルを捕まえたことがきっかけでした。 14歳で家族の反対を押し切ってカエルの飼育を始め、足の指が4本であることに気づいたことから独自研究がスタートしました。 冷凍したカエルを三日三晩かけて解剖し、心臓や腸を観察するなど、その探究心は本格的な研究者のものです。

「図鑑より詳しく、論文より優しく」——かるた制作と大学進学

昨年10月、高校3年だった片野さんは独学でデザインソフトをマスターし、カエルの知識をまとめた「かえるた」を制作・販売。 子どもから研究者まで楽しめる3段階のクイズ形式で、印刷会社からリリースされました。 この経験が「やってきたことは無駄ではなかった」という大きな自信につながったといいます。

今春は日本工業大学に進学し、化学・工学を専攻。電動車いすで電車とバスを乗り継ぎ通学しながら、将来は大学院へ進んで研究者として活躍したいという夢を持っています。 大学では合理的配慮の申請や体調管理など難病ならではの課題もありますが、「日常のたわいもない会話を楽しめる仲間ができること」を何よりの喜びとしています。

同じ境遇にある人へのメッセージ

片野さんは難病や障害を抱える人々に向け、こう伝えています。 受け身にならず、自分からいろいろなことに興味を持って外へ出ていくことが、将来の友達や仲間との対等な関係づくりにつながると。 カエルという「好きなもの」を深め続けることで、難病の制約を超えて自分の世界を広げてきた片野さんの姿は、同じく長期療養を続ける患者さんたちへの力強いエールです。

🔗 元記事・詳細インタビューはこちら

※ 片野さんが制作した「かえるた」は印刷会社・昇文堂(東京都千代田区)よりリリースされています。詳細は元記事をご覧ください。

引用・参照元

※ 当記事は上記を参照し、難病ネットワークインフォメーション編集部が要約・解説したものです。

※ 最終確認:2026年6月

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