生命科学分野の学術論文・プレプリントなどを誰でも無料で検索・閲覧できるオープンアクセスアーカイブがEurope PMC(ヨーロッパPMC)です。欧州バイオインフォマティクス研究所(EMBL-EBI)が開発・運営し、米国のPubMed Central(PMC)の国際パートナーとして機能しています。希少疾患の研究論文も広くカバーしており、欧州の研究助成機関が資金提供した多くの論文がオープンアクセスで公開されています。

基本情報

名称Europe PMC(Europe PubMed Central)
開発・運営EMBL-EBI(欧州バイオインフォマティクス研究所)
支援Europe PMC Funders' Group(欧州主要研究助成機関の連合)
連携機関NLM(米国国立医学図書館)、PubMed Central International
認証ELIXIR Core Data Resource、Global Core Biodata Resource
利用料金無料
公式サイトhttps://europepmc.org/

💡 用語解説:オープンアクセスとは?
学術論文を誰でも無料でインターネット上で閲覧・利用できるようにする取り組みのことです。従来の学術出版では論文閲覧に有料購読が必要でしたが、オープンアクセス化により患者さん・一般市民・研究資源の乏しい国の研究者も最新の科学的知見に直接アクセスできるようになります。Europe PMCは特に欧州の研究助成機関(Welcome Trust・欧州研究会議・英国医学研究会議など)が支援する論文のオープンアクセス義務付けを担う重要なインフラです。

Europe PMCとはどんなサービス?

Europe PMCは「世界中の生命科学文献を、誰もがどこからでも無料でアクセスできる」ことを目指して開発されたオープンアーカイブです。PubMedの収録文献に加えて、ヨーロッパで生産された研究論文・プレプリント・グラントデータなども幅広く収録しています。ELIXIR(欧州生命科学インフラ)のコアデータリソースとして認定されており、欧州の研究インフラの重要な一翼を担っています。

PubMedとの違いと特徴

1. プレプリントの収録

Europe PMCはピア・レビュー(査読)前のプレプリント(事前公開論文)も収録しており、査読を経た論文より早い段階で最新の研究成果にアクセスできる場合があります。ただし、プレプリントは査読前の研究であることに注意が必要です。

2. 欧州助成機関の義務的オープンアクセス

Wellcome Trust(英国)・欧州研究会議(ERC)・英国医学研究会議(MRC)など多くの欧州主要助成機関が、助成を受けた研究の成果論文をEurope PMCに登録することを義務付けています。そのため、欧州発の生命科学研究の論文がEurope PMC経由でオープンアクセスで多数閲覧できます。

3. テキストマイニングとAPI

Europe PMCはテキストマイニング(大量の文献から情報を自動的に抽出・分析する技術)ツールや、開発者向けAPIを提供しており、研究者が論文データを大規模に活用できるインフラとしても機能しています。

希少疾患研究での活用

Europe PMCでも「rare disease」「orphan disease」などのキーワードで希少疾患に関する論文を検索できます。EMBL-EBIはDECIPHER・Orphanet・IRDiRCなど希少疾患関連の多くのプロジェクトにも関与しており、欧州の希少疾患研究を支えるインフラのひとつです。

引用・参照元

※ 最終確認:2026年6月

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