協和キリン株式会社は、開発中の経口薬インフィグラチニブ(KK8398)について、日本の厚生労働省から「希少疾病用医薬品」の指定を受けたと発表しました。 対象は、骨端線(成長線)の閉鎖を伴わない指定難病「軟骨無形成症」です。 今回の指定は、この疾患に対する医療上の必要性の高さが公的に認められたことを意味し、今後の開発・承認に向けた重要な一歩となります。

💡 用語解説:「希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)」とは?
患者数が少なく、かつ医療上の必要性が高いと国が認めた疾病に対する治療薬を指定する制度です。 指定を受けると、研究開発に対する助成金や税制優遇、優先的な審査などの支援が受けられます。 患者数の少ない疾患は、製薬企業にとって採算が取りにくいことがあるため、この制度は開発を後押しする重要な役割を果たしています。

💡 用語解説:「骨端線(こつたんせん)」とは?
骨の両端にある、骨が成長するための軟骨組織です。 成長期にはこの部分で骨が伸びますが、成長が終わるとこの軟骨は硬い骨に置き換わり「閉鎖」します。 今回の指定は、骨端線がまだ閉鎖していない=成長期にある軟骨無形成症の患者さんを対象としています。

軟骨無形成症とインフィグラチニブについて

軟骨無形成症は低身長を主な特徴とする代表的な遺伝性疾患で、指定難病に指定されています。 およそ2万出生に1人の割合で発症し、日本国内ではおよそ6,000人の患者さんがいるとされています。 低身長に加え、脊柱管狭窄や閉塞性睡眠時無呼吸といった合併症が生涯にわたって続くことがあり、幼少期から適切に成長や合併症の状況を把握し、早期に管理・治療へつなげることが重要とされています。

インフィグラチニブ(KK8398)は、軟骨無形成症の原因となるFGFR1〜3という分子の働きを選択的に抑える、飲み薬タイプの低分子薬です。 海外ではBridgeBio Pharma社により、3歳以上18歳未満の小児患者を対象とした国際共同第3相臨床試験「PROPEL 3」が進められています。 日本国内でも、国内の小児軟骨無形成症患者さんを対象とした第3相臨床試験「AOBA試験」が実施されており、有効性・安全性が評価されている段階です。

協和キリンのコメントと今後の展望

協和キリンのChief Medical Officerである鳥居義史氏は、今回の指定について「本疾患に対する医療上の必要性の高さを示すもの」と述べています。 また、軟骨無形成症は患者さんの成長や生活に長期的な影響を及ぼす疾患であり、幼少期における適切な治療の重要性を強調するとともに、経口薬という新しい治療選択肢が患者さんやご家族の多様なニーズに応えられるものと期待を示しています。

なお、今回の指定はあくまで開発を後押しする制度上の措置であり、国内での承認・発売が決まったわけではありません。 現時点では国内臨床試験(AOBA試験)が進行中の段階です。治療選択肢としての利用が可能になる時期については、今後の開発状況にあわせて随時お伝えしていきます。

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※ 治療選択肢や臨床試験への参加に関するご相談は、必ず主治医・専門医療機関にご確認ください。本記事は現時点の開発状況をお伝えするものであり、特定の治療を推奨するものではありません。

引用・参照元

  • 協和キリン株式会社「FGFR1-3阻害薬KK8398(infigratinib)が骨端線閉鎖を伴わない軟骨無形成症を対象に日本で希少疾病用医薬品指定を取得」– kyowakirin.co.jp (2026年6月24日)

※ 当記事は上記を参照し、難病ネットワークインフォメーション編集部が要約・解説したものです。

※ 最終確認:2026年6月

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