ダイハツ工業株式会社と大阪ダイハツ販売株式会社が、大阪府と「災害時における要援護難病児者・慢性疾患児への電源供給に関する協定」を2025年6月23日に締結しました。この協定は、災害時に停電が発生した際、生命維持に必要な医療機器の電源を確保するための心温まる取り組みです。
命を支える医療機器に欠かせない電源
難病を患う患者さんや慢性疾患の子どもたちが使用している人工呼吸器などの高度医療機器は、生命維持のために24時間365日、常に電源を供給する必要があります。災害時に停電が発生すると、これらの医療機器が使えなくなり、患者さんの命に直結する深刻な問題となります。
多様な電源供給方法で患者さんをサポート
施設での電源提供
ダイハツおよび大阪ダイハツは、大阪府内で災害時に停電が発生した際、高度医療機器のバッテリーや蓄電池等への充電のため、ダイハツの関連施設および大阪ダイハツの各店舗の電源を提供します。
車両からの給電システム
停電によって建物からの電源供給が困難な場合には、以下の方法で電源を供給します:
- 車両のアクセサリーソケットからの給電
- コンパクトSUV「ロッキー」のハイブリッド車のAC100Vコンセントからの電源供給
- 今年度導入予定の商用軽バン電気自動車からの電源供給
全国に広がる電源確保の取り組み
今回の大阪府での協定締結は、全国各地で進められている在宅医療機器の非常用電源確保の取り組みの一環です。各自治体では以下のような支援が行われています
東京都の取り組み
- 在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業(指定難病患者対象)
- 中央区では自家発電装置購入費用の助成制度
静岡県の取り組み
- 富士市:防災用具の給付(発動発電機、人工呼吸器用外部バッテリー)
- 掛川市:人工呼吸器装着患者のための購入費用助成
和歌山県の取り組み
- 平成25年度から在宅人工呼吸器利用者に予備電源を無償で貸与する医療機関への補助事業
患者さんとご家族への安心
この協定により、大阪府内の難病患者さんや慢性疾患の子どもたちとそのご家族は、災害時でも医療機器の電源確保について安心できる環境が整いました。ダイハツと大阪ダイハツは、「患者様の医療が継続できるように努めてまいります」と表明しており、企業の社会的責任を果たす心強い取り組みといえます。
この協定は、自動車メーカーの技術と地域の医療ニーズを結びつけた画期的な事例として、他の地域でも参考になる重要な取り組みです。災害時においても、一人ひとりの命を大切にする社会の実現に向けた大きな一歩となることが期待されます。
ソースURL: https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP692893_T20C25A6000000/