厚生労働省の「厚生科学審議会疾病対策部会 指定難病検討委員会」(第68回)が2026年9月1日に開催され、令和10年度(2028年度)適用分として新たに指定難病への追加を検討する疾病15件のリストが公表されました。 VEXAS症候群・TAFRO症候群・QT延長症候群・視床下部過誤腫症候群など、多岐にわたる疾病群が候補として挙げられています。 ただし、これらはあくまで審議の対象として挙げられた候補であり、実際に指定難病に追加されるかどうかはこれからの審議の結果によります。
💡 指定難病への追加はどのように決まるのか?
研究班から「この病気を指定難病として検討してほしい」という情報が提供されると、まず検討委員会で審議されます。 その後、パブリックコメント(国民からの意見募集)を経て、最終的に指定難病として告示されると医療費助成の対象となります。 今回の15疾病は「研究班から情報提供のあった候補」であり、要件を満たさないと判断された場合は追加されないこともあります。
💡 今回の候補疾病——注目の疾患とは?
VEXAS症候群:骨髄の造血幹細胞の遺伝子変異によって引き起こされる、炎症・血液・皮膚・関節など多臓器に影響する疾患。比較的最近(2020年)発見された疾患で、国際的に注目が集まっています。
TAFRO症候群:血小板減少・腹水・発熱・細網線維症・臓器腫大を特徴とする希少な炎症性疾患。日本の研究者が命名した疾患です。
QT延長症候群:心電図のQT間隔が延長し、致死性不整脈を引き起こす可能性がある遺伝性疾患。突然死のリスクと隣り合わせで生活する患者さんも多い疾患です。
今回の検討対象15疾病の全リスト
第68回委員会の資料として公表された候補疾病の一覧は以下のとおりです。 疾患群も合わせて示されており、今後の個別審議に向けた検討対象となっています。
| 番号 | 疾病名 | 疾患群(候補) |
|---|---|---|
| 1 | ADSS1ミオパチー | 神経・筋疾患 |
| 2 | 遺伝子異常による発達性てんかん性脳症 | 神経・筋疾患 |
| 3 | 視床下部過誤腫症候群 | 神経・筋疾患 |
| 4 | GRIN関連神経発達異常症 | 神経・筋疾患 |
| 5 | ROHHAD症候群 | 内分泌疾患(神経疾患、呼吸器疾患、免疫疾患) |
| 6 | VEXAS症候群 | 染色体・遺伝子異常(免疫疾患、血液疾患、呼吸器疾患、皮膚・結合組織疾患、骨・関節疾患、視覚疾患) |
| 7 | TAFRO症候群 | 免疫疾患(血液疾患) |
| 8 | ホルト・オーラム症候群 | 循環器疾患(骨・関節疾患) |
| 9 | QT延長症候群 | 循環器疾患(染色体・遺伝子異常) |
| 10 | カテコラミン誘発多形性心室頻拍 | 循環器疾患(染色体・遺伝子異常) |
| 11 | 中性脂肪蓄積心筋血管症 | 循環器疾患(代謝疾患) |
| 12 | 不整脈原性右室心筋症 | 循環器疾患 |
| 13 | 視床下部性肥満 | 内分泌疾患 |
| 14 | 先天性高インスリン血症 | 内分泌疾患 |
| 15 | 特発性周辺部角膜潰瘍 | 視覚疾患 |
※ 上記は研究班から情報提供のあった候補疾病の一覧です。審議の結果、指定難病の要件を満たさないと判断された疾病は追加されません。また疾病名は今後変更の可能性があります。
今回の委員会のその他の議題
第68回委員会では、新規疾病追加の検討に加え、以下の議題も扱われました。
- 令和10年度適用分の新規追加に係るパブリックコメント(令和8年6月16日〜7月15日実施)の結果報告——計14件の意見が寄せられた
- 既存の指定難病の診断基準等アップデートの検討(別途資料で対象疾病一覧が公表)
- 告示病名の変更について
🔗 公式資料・詳細はこちら
※ 今回のリストに掲載された疾病が実際に指定難病に追加されるのは、審議・パブリックコメント・告示を経た後です。令和10年度(2028年4月)からの適用を目指した審議が始まった段階です。
引用・参照元
- 厚生労働省「第68回厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会」– mhlw.go.jp (2026年9月1日開催)
- 同委員会 資料1-1「指定難病に係る新規の疾病追加(令和10年度適用分)研究班から情報提供のあった疾病(一覧表)」(PDF)
※ 当記事は上記を参照し、難病ネットワークインフォメーション編集部が要約・解説したものです。
※ 最終確認:2026年9月






