岡山大学の研究グループは、指定難病「特発性多中心性キャッスルマン病(iMCD)」の一亜型である「iMCD-TAFRO」に深く関わる遺伝子群を新たに同定しました。この疾患は、全身のリンパ節の腫れや発熱、血小板減少、胸腹水貯留、骨髄線維症、腎機能障害、臓器腫大など重い症状を引き起こし、時に命に関わることもある非常にまれな疾患です。これまで明確な診断基準や治療法が確立されていませんでした。

今回の研究では、病理組織と遺伝子発現の解析を組み合わせることで、iMCD-TAFROの病態形成に深く関わる「PI3K-Aktシグナル伝達経路」などの遺伝子群を明らかにしました。この成果は、今後の病態解明や新しい治療法の開発に大きく貢献することが期待されています。

研究を担当した原武朋加大学院生は「今回同定した遺伝子群を多くの方に知っていただくことで、さらなる研究や理解が進むことを願っています」とコメント。西村碧フィリーズ講師も「本研究がきっかけとなり、iMCD-TAFROで苦しむ患者さんやご家族の希望となることを願っています」と語っています。

この研究は2025年5月22日に岡山大学から発表され、論文は「Modern Pathology」に掲載されました。今後、世界中の研究者によるさらなる研究が進むことで、難病患者の未来に新たな光が差すことが期待されます。

ソースURL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003153.000072793.html

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