近年、日本では救急車の出動件数と搬送人員数が増加傾向にあり、救急隊の現場到着時間も遅延しています。さらに、救急車で搬送された人の約半数が入院を必要としない軽症であるという現状があります。この状況を改善し、緊急性の高い症状の患者により迅速に対応するため、救急車の適切な利用が求められています。
今回は救急車の利用について解説していきます。
救急車を呼ぶべき状況
救急車は、生命の危険がある緊急時に利用すべきです。以下のような症状がある場合は、ためらわずに119番に電話をしましょう
- 意識がない(返事がない)または意識がおかしい
- 呼吸が弱い、または止まっている
- 突然の激しい頭痛
- 突然の高熱
- 激しい腹痛
- 飲み込んだものを吐く、吐血
- 大量の出血を伴うけが
救急車の呼び方
119番に電話をかけたら、以下の情報を落ち着いて伝えましょう
- 救急であることを伝える
- 救急車に来てほしい住所を伝える
- 具合の悪い方の症状を伝える
- 具合の悪い方の年齢を伝える
- あなたのお名前と連絡先を伝える
救急車を呼ぶ前の準備
救急車を呼んだら、以下のものを用意しておくと便利です
- 保険証や診察券
- お金
- 靴
- 普段飲んでいる薬(おくすり手帳)
- タオル
救急相談窓口の活用
急な病気やけがの際に、救急車を呼ぶべきか迷った場合は、各地域の救急相談窓口を利用することができます。例えば
- #7119 救急安心センター(多くの都道府県で利用可能)
- #8000 子ども医療電話相談(全都道府県で利用可能)
また、スマートフォンアプリ「Q助」を利用すると、症状に応じた対応方法を確認できます。
救急医療の適切な利用
救急車や救急医療は限りがあります。以下のような理由での救急車の利用や救急外来の受診は避けましょう。
- 交通手段がない
- どこの病院に行けばよいかわからない
- 便利だから
- 平日休めない
- 日中は用事がある
まとめ
救急医療システムを効果的に機能させるためには、市民一人ひとりが適切な利用を心がけることが重要です。緊急度に応じた救急医療の提供により、本当に救急車を必要とする人々の命を救うことができます。日頃から応急手当の知識を身につけ、緊急時に適切な判断ができるよう準備しておくことも大切です。救急車の適切な利用は、私たち全員の責任です。この記事の情報を参考に、緊急時の対応について家族や友人と話し合い、地域全体で救急医療システムを支えていきましょう。