元バスケットボール女子日本代表の藤岡麻菜美さんが、指定難病「家族性地中海熱」と診断されるまでの経緯と、診断後の心境を語りました。原因不明の発熱や腹痛に何度も悩まされながら、病名がついたことでようやく治療の道筋が見えたことが、記事の大きなポイントです。

診断までの長い不安

藤岡さんは2020年2月、所属していたJX-ENEOSサンフラワーズでの活動中に倦怠感と発熱に見舞われました。最初は新型コロナ感染も疑い、検査では陰性だったものの、腹痛や関節痛も強く、そのまま入院して5日ほどで回復しました。

その後は落ち着く時期もありましたが、2021年ごろに再び高熱と倦怠感が出るようになりました。病状がはっきりしないまま現役復帰や指導の仕事を続ける中で、原因をつかめない不安が続いていたことが伝わります。

病名がついた瞬間

静岡県内の病院を受診した際、症状からリウマチや膠原病の診療科を勧められ、聖隷富士病院のリウマチ・膠原病科を受診しました。山田雅人部長は、これまでの検査結果や、3日ほど続く発熱と腹痛を繰り返す病歴から、家族性地中海熱と診断しました。

藤岡さんにとって大きかったのは、以前から使っていたコルヒチンが、この病気の治療薬だったことです。診断名が分からないまま薬を飲み続けるのではなく、病気の名前がはっきりしたことで、「病名が分かり、ほっとしました」と感じられたのです。

治療と仕事の両立

診断後は指定難病の医療受給者証を取得し、コルヒチンに加えて、炎症に関わる物質に作用する「イラリス」を月1回注射するようになりました。現在は、月1回の通院で注射や血液検査を受けながら、千葉英和高校女子バスケットボール部のヘッドコーチとして活動しています。

さらに、3人制バスケットボールチーム「TOKYO DIME」にも所属し、選手としての活動も続けています。体調に波はあるものの、周囲が気を配ってくれる環境が支えになっているといいます。

自分を責めないという姿勢

藤岡さんは、体調が悪いときに周囲へ迷惑をかけていると感じてしまうことがあると話しています。ただ、症状が出るのは仕方のないことだと受け止め、「自分を責めないようにしよう」と心がけています。

この言葉には、病気と向き合う人にとって大切な視点があります。つらさを抱えながらも、無理をしすぎず、自分を追い込みすぎないことの大切さがにじんでいます。

家族性地中海熱とは

家族性地中海熱は、体内で炎症が起きる自己炎症性疾患です。熱、腹痛、倦怠感、関節炎などの症状が3日ほど続いて治まり、また1か月ほどすると繰り返すことがあります。特定の遺伝子変異が関わるとされており、疲れや睡眠不足、ストレスが発作の引き金になることがあります。

山田医師は、症状がないときは食事などの制限なく過ごせる一方、無理をしないことが大切だと説明しています。症状からこの病気が疑われる場合は、膠原病やリウマチの専門医に相談することが勧められています。

藤岡さんの今

藤岡さんは、元気な時は全力で仕事をし、バスケを含めていろいろなことを教えていきたいと話しています。母校から自分に次ぐ日本代表選手を出したいという思いもあり、競技と指導の両面で前向きに歩み続けています。

診断までの不安、治療が始まってからの安心、そして今の環境への感謝。この記事は、病名が分かることの重みと、難病とともに生きる人の現実を静かに伝えています。

ソースURL: https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20241126-OYTET50014/#goog_rewarded

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