武田薬品工業株式会社は、完全ヒト免疫グロブリンIgG1モノクローナル抗体「mezagitamab(開発コード:TAK-079)」が、慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の治療薬として厚生労働大臣より希少疾病用医薬品の指定を受けたと発表しました。

慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)とは

ITPは、主に自己免疫反応によって血液中の血小板が破壊され、血小板数が減少する希少な出血性疾患です。これにより、出血が止まりにくくなり、重症の場合には生命を脅かすこともあります。診断から12カ月以上血小板減少が続く、または無治療で寛解を維持できない場合を慢性ITPと呼びます。

mezagitamabの特徴

mezagitamabは、CD38という分子を発現する免疫細胞(形質芽細胞や形質細胞など)に高い親和性を持ち、これらの細胞を減らすことで血小板数の迅速かつ持続的な改善をもたらすようにデザインされているとのこと。

開発状況と今後の展望

現在、mezagitamabは国際共同臨床第3相試験が進行中で、まだどの国の規制当局からも承認は受けていません。この試験では、成人のITP患者さんを対象に、mezagitamabまたはプラセボを1週間に1回、8週間皮下注射し、その後8週間の休薬期間を挟んで再度8週間投与するスケジュールで実施されています。

また、米国食品医薬品局(FDA)からもITP治療薬として希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定、慢性/持続性ITPの治療薬としてファストトラック指定を受けています。

患者さんへの期待

mezagitamabが承認されれば、慢性ITPの患者さんにとって新たな治療選択肢となり、血小板数の改善と生活の質の向上が期待されます。今後、承認申請に向けてさらなる試験データの蓄積が進められています。

ソースURL: https://www.takeda.com/jp/newsroom/local-newsreleases/2025/mezagitamab-orphan-drug-itp/

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