中外製薬は2026年6月17日、指定難病「デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)」の遺伝子治療薬「エレビジス」に関する説明会を開催しました。 2026年2月の発売以降、国内で約10人の患者さんに投与されたことが明らかになっています。 1回の投与で治療が完結する一方、薬価が国内最高額となるなど、患者さん・ご家族にとって関心の高い治療薬です。
💡 用語解説:「デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)」とは?
筋肉を保護するタンパク質「ジストロフィン」がほとんど作られないために、全身の筋力が徐々に低下していく指定難病です。 主に男児に発症し、進行すると歩行が困難になるほか、心臓や呼吸に関わる筋肉にも影響が及びます。 根本的な治療法は限られており、長年対症療法が中心となってきました。
💡 用語解説:「遺伝子治療」とは?
病気の原因となる遺伝子の異常を、体内に正常な遺伝子(や、その代わりとなる設計図)を届けることで補う治療法です。 エレビジスの場合、無害化したウイルスを「運び屋」として使い、ジストロフィンの代わりとなる人工的なタンパク質を作る遺伝子を筋肉細胞に届けます。 従来の対症療法とは異なり、病気の根本的な原因に直接アプローチする治療法として注目されています。
エレビジスとは——国内初の本格的なDMD遺伝子治療薬
エレビジス(一般名:デランジストロゲン モキセパルボベク)は、中外製薬が2026年2月に国内で発売した、DMDに対する国内初の本格的な遺伝子治療用製品です。 対象は、ジストロフィン遺伝子の一部の欠失パターンに該当せず、ウイルスベクターに対する抗体が陰性である、3歳以上8歳未満の歩行可能な患者さんに限られています。 投与は1回限りで、再投与は行われません。
薬価は1患者あたり3億497万円となり、国内の医薬品としては最高額です。 効果が期待される一方、副作用として重い肝障害が起きることがあるため、投与後は患者さんの容体を厳密にチェックする安全対策が必要とされています。
発売から4カ月、国内で約10人に投与
今回の説明会では、発売以降、国内で約10人の患者さんにエレビジスが投与されたことが明らかにされました。 投与施設の一つである国立精神・神経医療研究センターの医師は、安全対策において産官学の連携がうまく機能していると述べています。 一方で、投与する医療機関側からは、投与後の厳密な経過観察などにかかる患者管理コストの高さが課題として指摘されています。
新しい治療選択肢が国内に登場したことは、これまで対症療法が中心だったDMD患者さんとそのご家族にとって大きな意味を持ちます。 対象となる年齢・条件が限定されているため、ご自身やお子さんが対象に該当するかどうかは、主治医・専門医療機関にご相談ください。
🔗 詳細情報・関連リンクはこちら
- 「中外製薬の遺伝子薬『エレビジス』、国内で10人に投与」(日本経済新聞・2026年6月17日)
- 中外製薬「デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する国内初の再生医療等製品『エレビジス点滴静注』国内発売のお知らせ」(2026年2月20日)
※ 要約は日経電子版および中外製薬の公式発表をもとに作成しています。
引用・参照元
- 「中外製薬の遺伝子薬『エレビジス』、国内で10人に投与」日本経済新聞 – nikkei.com (2026年6月17日)
- 中外製薬株式会社 ニュースリリース – chugai-pharm.co.jp (2026年2月20日)
※ 当記事は上記を参照し、難病ネットワークインフォメーション編集部が要約・解説したものです。
※ 最終確認:2026年6月







